【コラム】勾留の執行停止とは

2019-11-01

少し前ですが、子供の結婚式に出席するため、「勾留の執行停止」が認められたというニュースがありました。

「勾留」とは、逮捕に引き続いて、逮捕よりも長い期間(原則として10日間、事件によっては最大20日間になる場合もある。)身体拘束されることを言います。

この、勾留という長期にわたる身体拘束から解放されるための手続は、法律上いくつか用意されています。
 
まず、裁判所の勾留決定に対して不服を申し立てる準抗告という手続があります。この、不服申立てが認められた場合には、勾留の決定がなかったことになるため、すぐに身体拘束から解放されます。

また、10日間(ないし最大20日間)の勾留を経て、検察官によって起訴されてしまったという場合には、裁判所に対して保釈許可の申立てをするという手続があります。この、保釈が許可された場合には、原則としてその事件の裁判が終わるまで身体拘束から解放されます。定められた裁判の日に裁判所に出頭すればよいだけです。

しかしながら、事件の性質などにより、上で述べたような身体拘束からの解放という希望がかなわないことも多くあります。
タイトルに挙げた「勾留の執行停止」とは、そのような場合であっても、一時的に勾留を止めてもらうというための手続のことをいいます。

勾留の執行停止は、その後ずっと身体拘束から解放されるのではなく、時間を限定して一時的に身体拘束から解放されるという手続です。
よくある例として、親族が危篤で今顔を見ることができなければ二度と会えなくなる、親族の葬儀には出席させてほしい、自分の病気の治療が外の病院でなければできない、などの場合に勾留の執行停止が認められています。

勾留の執行停止は、勾留場所から病院や葬儀場などへの移動時間、そこでの滞在時間、勾留場所に帰る時間など考慮して、「何月何日の何時~何時の間」というように、厳しい限定のもとで認められます。場合によっては、親族などの監督者が常に同行することが条件として付されたり、弁護人が監督者となることが求められたりすることもあります。
もちろん、申し立てれば必ず認められるというものでもありません。

しかし、そうはいっても一時的に身体拘束から解放されることを強く望む事情がある方もたくさんいることでしょう。そのような場合には、弁護人と打合せをして、裁判所が納得するような条件で勾留執行停止の申立てにチャレンジしてみることをお勧めします。

髙橋

 

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