【コラム】即決裁判手続とは何か?

2015-08-06

1 即決裁判手続とは

 

即決裁判手続とは、犯罪の内容があまり重大なものではない(万引きや覚せい剤自己使用、道路交通法違反など)場合で、本人が犯罪を起こしたことを認めており、有罪になることが証拠から明らかな場合に、手続きの合理化・迅速化を図るためできた制度です。

 

検察官が即決裁判手続とする方針を決定し、被疑者と弁護人がこれに応じれば、検察官が処罰を求めるために裁判所に訴えを起こし(起訴といいます。)、14日以内に公判期日を開き、同日に判決が言い渡されます。なお、裁判においては、弁護士を必ず付けなくてはならないことになっています。

 

2 即決裁判手続のメリット・デメリット

 

(1)即決裁判手続のメリット

即決裁判手続の最も大きなメリットは、早く手続が終わることです。起訴から14日以内に裁判が開催されることとなっており、即日の判決が原則です。通常の公判では、犯罪を起こしたことを認めていたとしても、起訴されてから判決までは1ヶ月以上の時間がかかることがほとんどですので、期間はかなり短縮されます。裁判自体も通常は30分程度で終わり、通常事件の審理よりもやはり短くなっています。身体拘束をされていて、判決まで留置場や拘置所から出られない場合は、期間が長ければ長くなるほど、仕事など身の回りに大きな影響を及ぼしますので、早期の終了のメリットは大きいと言えます。

 

さらに、即決裁判手続の中で裁判官が懲役刑または禁錮刑を言い渡す場合は、執行猶予をつけなければならないとされている点もメリットです。ただし、情状などから裁判官が即決裁判手続を取消し、通常手続に移行する場合もあります。即決裁判手続に決まったというだけでは、確実に執行猶予となるとは限りませんので注意が必要です。

 

(2)即決裁判手続のデメリット

デメリットとしては、仮に判決で宣告された事実に誤りがあると思ったとしても、それを理由にして、上級裁判所に不服を申し立てること(上訴)ができない点が挙げられます。量刑が重すぎる、裁判が法律に違反しているという理由での上訴は可能ですが、上訴のための理由が制限されるというデメリットはあります。

 

3 即決裁判手続における弁護活動

 

弁護人は、検察官から即決裁判手続にするという話があれば、事件の内容等から、即決裁判手続に応じるべきかどうかの助言をするほか、弁護人自身も、即決裁判手続に同意するかどうか慎重に判断をします。

 

また、上記のとおり、即決裁判手続とすることが決定したとしても、必ず執行猶予がつくわけではありません。情状次第では即決裁判手続が取り消されるおそれがあるのです。

 

即決裁判手続における情状弁護の方針は、弁護人によってまちまちであり、情状弁護を不要とする考えもあります。しかし、確実な執行猶予を目指すのであれば、裁判までの短い期間の中で適切に情状弁護を行うことのできる私選弁護人を依頼することも一つの手段であると思います。

 

ページの上部へ戻る

Copyright(c) 2014 早稲田リーガルコモンズ法律事務所 All Rights Reserved.