【コラム】情状酌量と刑事弁護

2015-06-05

1 情状とは

テレビのニュースやドラマ等で、「ジョージョーシャクリョウノヨチナシ」というフレーズに聞き覚えのある方も多いのではないかと思います。

しかし、そもそも「情状」とはどういうものかご存知でしょうか。

「情状」とは、検察官が起訴を行うかどうかの判断や裁判官が有罪の場合にどの程度の刑罰を科すかという判断において考慮するさまざまな事情を指します。「情状」は、犯罪の経緯に関する事情である「犯情」とそれ以外の事情の「一般情状」に分かれます。

 

「犯情」の例としては、犯罪の動機、犯行の回数や手段・方法・結果、被害者の人数、被疑者・被告人と被害者の関係、被害者側の落ち度、共犯者の人数・役割等の共犯関係に関する事情が挙げられます。他方、

「一般情状」の例としては、被疑者・被告人の性格・経歴・環境、特に前科や起訴猶予の有無、弁償等の被害の回復状況、被害者の処罰感情、犯罪後の被疑者・被告人の反省等の態度、被疑者・被告人の関係者の身柄引受や監督状況、犯罪の社会的影響、他事件との対比等が検討されます。

ちなみに、起訴された後については、「犯情」を中心に検討しながら、「一般情状」を踏まえて最終的な刑の重さを決定していく、というのが裁判所で多数を占める考え方です。

 

2 情状弁護

検察官や裁判官は被疑者・被告人について全ての事情を調べるわけではありません。上記の情状のうち被疑者・被告人にとって有利な事情については、自らが調査し、主張していく必要があります。

しかし、被疑者・被告人という立場に置かれた人の多くは身柄を拘束されていたり、被害者との接触ができなかったりします。そのため、少なくないケースで、情状に関する調査や交渉を自ら行うことが困難となっています。

そこで、事実の調査や交渉のスペシャリストである弁護士が、依頼者に代わって情状に関する事実を調査し、関係者との折衝をします。被害者との関係でも、「犯人には会いたくないけど、弁護士さんなら…」ということも多くあります。

また、弁護人は情状事実を検察官や裁判官に対して主張していきます。仮に、犯罪を行ったこと自体については争いが無い場合であっても、有利な情状の主張により、不起訴処分や執行猶予判決を獲得できることがあります。つまり、起訴されて前科がついてしまったり、刑務所に入れられてしまうような重大な不利益を回避したりすることができるのです。

もしあなた自身やあなたの大切な方が逮捕されてしまったり、警察に取調べで呼び出されてしまったりした場合、犯罪の事実について争いがないときであっても是非一度弁護士にご相談ください。

 

 

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