【コラム】被害者参加制度と弁護士

2015-12-10

1 刑事裁判と犯罪被害者

刑事裁判は、検察官が被告人を起訴し、裁判所が、当該被告人が有罪であるかどうかを判断するという仕組みです。
犯罪被害者は、従来、証人として法廷に呼ばれて、質問される範囲において証言することができるだけで、それ以外に刑事裁判に関与することができませんでした。

しかし、平成19年6月に、「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律」が成立し、犯罪被害者も一定の範囲で刑事裁判に参加することができるようになりました(「被害者参加制度」)。

 

2 被害者参加制度の概要

(1)被害者参加人となることができる者の範囲

刑事裁判に被害者参加できるのは、被害者等(被害者本人、被害者に死亡又は重大な心身の故障という重大な結果が生じた場合はその配偶者・直系の親族及び兄弟姉妹)、被害者等の法定代理人、被害者等から委託を受けた弁護士です。

(2)被害者参加できる犯罪類型

被害者参加制度を利用することができる犯罪類型は、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、業務上過失致死傷罪、自動車運転過失致死傷罪、強姦・強制わいせつ等の性犯罪、逮捕・監禁罪、略取・誘拐罪等に限定されています。

(3)被害者参加人としてできること

被害者参加人は、検察官の権限行使について意見を述べることができるほか、裁判に出席して(傍聴席ではなく当事者として法廷内で着席することができます。)、以下の事項を行うことができます。

①証人尋問
  被害者参加人は、証人に対して、情状(刑の量定にあたって判断すべき事項)に関する事項について、直接尋問を行うことができます。
 

②被告人質問
  被害者参加人は、被告人に対して、犯罪事実・情状に関する事項について、直接尋問を行うことができます。

③意見陳述
  被害者参加人は、最終意見陳述として、犯罪事実や法律の適用及び被害者参加人が適当であると考える求刑について意見を述べることができます。

 

3 被害者参加制度と弁護士

刑事裁判は法律に基づく複雑な手続であるため、一般の方が参加しても十分な活動ができるのか不安をお持ちになる方も少なくありません。
また、被害者が加害者にかかわる場面は、上記の外にも、加害者又はその代理人との示談交渉、少年事件における家庭裁判所での手続、賠償命令制度の利用などの民事手続、ケースによってはマスコミへの対応が必要になることもあります。

そこで、刑事裁判の専門家である弁護士が、犯罪被害者の皆さまの痛切な思いを伝えるお手伝いをいたします。弁護士費用を支払うことが困難な犯罪被害者のために、国選被害者参加弁護士の制度もありますので、被害者参加制度の利用をご希望される場合は、是非一度弁護士にご相談ください。

 

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