【コラム】逮捕は終わりではなく始まり

2015-02-26

1 逮捕とは

「警察に逮捕されてしまったら終わりで、もうどうしようもない。」
こんな風に考えていませんか。
断言します、この考えは間違いです。

逮捕というのは、その時点の手持ちの捜査資料に基づいて、犯罪を犯したと警察が判断した人が、逃亡したり犯罪の証拠を隠滅したりしないように、身柄を確保する手続きです。
なぜ警察が逮捕するかというと、最終的にその人を裁判所に起訴して処罰を求めるかを判断するためです。刑事ドラマは犯人を逮捕して終わりですが、現実の刑事裁判手続では逮捕後に本格的な捜査が始まります。警察は、逮捕後48時間以内に検察官に事件を送り、検察官は24時間以内に身柄の拘束を裁判所に請求するかどうかを決め、検察官がその請求をした場合には裁判官が10日間(延長された場合は最大20日間)の身体拘束の可否を判断します。

逮捕されてしまったとしても、言い分を主張していくことができます。逮捕の時点で、その言い分が考慮されていなかった場合、身体拘束を継続すべきない、あるいは裁判所に起訴すべきでないと判断される可能性があります。もし身に覚えのない理由で逮捕されてしまったり、何かやむを得ない理由がある場合には、そのことを強く主張していかなければなりません。一方で、その主張自体が「自白」や「弁解」として起訴し裁判にかけるための証拠になりますから、防御のために黙秘することが有用な場合もあります。

しかし、警察や検察は、逮捕された人を狭い部屋に押し込んで自由を奪い、取調官は恫喝や甘言を交えながら執拗に取り調べを行うことがしばしばあります。ときには、取調官が自分の思うとおりのストーリーの供述調書を作成し、それに署名を強要し、指印を押させて調書をねつ造することさえあります。そのような不当な取調官の対応がなかったとしても、初めて逮捕された状況下では、どんなにもっともな言い分があったとしても、それを十分に伝えたり、逆に黙秘をすることは現実的に困難であると言わざるを得ません。

 

2 弁護士の役割

弁護士は、当事者の生の言い分を法的に再構成する専門家です。逮捕された方の言い分が取調官や裁判官に伝わるように法的な主張として組み立てたり、取調官の違法な取調べを糾弾したりすることで、言い分が正しく伝わるようにするお手伝いしたり、不本意な自白や弁解が証拠にならないようにサポートします。
また、緊急の伝言等を承ることで、狭い部屋に押し込められて心細く思っている方の心のケアも行うことができます。

加えて、逮捕後、速やかにご依頼いただいた場合には、逮捕後72時間以内になされる検察官の身体拘束継続のための請求(勾留請求)を阻止したり、裁判所の身体拘束継続の判断(勾留決定)を阻止するための資料を用意し、検察官や裁判所に提出します。

このように、早期の身体拘束からの解放のためにも、また不本意な自白や弁解が不利な証拠として作られないようにするためにも、逮捕後、出来るだけ早く、経験豊富で、かつフットワークの軽い弁護士に依頼することが大切です。

 

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