【Q&A】裁判員裁判制度とは?

2014-10-21

1 裁判員裁判とは

裁判員裁判とは、後述するような一定の重い事件について、無作為で選任された国民が裁判員として参加し、裁判官と一緒に審理に関与して有罪・無罪の判断を行い、判決をする裁判のことを言います。

2 裁判員裁判導入の背景

これまでの裁判は,検察官や弁護士,裁判官という法律の専門家が中心となって行われてきました。丁寧で慎重な検討がされ,またその結果詳しい判決が書かれることによって一定の評価を受けてきました。
 しかし,その反面,専門的な正確さを重視する余り審理や判決が国民にとって理解しにくいものであったり,一部の事件とはいえ,審理に長期間を要する事件があったりして,そのため,刑事裁判は近寄りがたいという印象を与えてきた面がありました。
 そこで,司法制度改革の中で,国民の司法参加の制度の導入が検討され,裁判官と国民から選ばれた裁判員が,それぞれの知識経験を生かしつつ一緒に判断することにより,より国民の理解しやすい裁判を実現することができるとの考えのもとに裁判員制度が導入されました。
国民が刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、なおかつ、健全な社会常識にもとづく裁判が行われることで、司法に対する国民の信頼の向上につながることが期待されています。

3 裁判員裁判の対象

裁判員裁判が行われるのは“刑事裁判”のみです。
そして、刑事裁判の中でも一定の重大事件についてのみ、裁判員裁判が行われます。具体的には、次のような最も重い刑として死刑や無期懲役が定められている罪、故意の犯罪行為で人を死亡させた罪の裁判において裁判員裁判が行われます。
<裁判員裁判対象事件の例>
殺人(人を殺した場合)、強盗致死傷(強盗が、人にけがをさせ、あるいは、死亡させてしまった場合)、傷害致死(人にけがをさせ、死亡させてしまった場合)、危険運転致死(泥酔した状態で、自動車を運転して人をひき、死亡させてしまった場合など)、現住建造物等放火(人の住む家に放火した場合)、覚せい剤取締法違反(財産上の利益を得る目的で覚せい剤を密輸入した場合など)

4 裁判員の選任手続き

裁判員は各地の選挙人名簿を基準に抽選で選ばれます。したがって、原則として20歳以上の日本国民で選挙人名簿に登載されている人は誰しもが裁判員に選ばれる可能性があります。
裁判員候補者に選ばれた場合でも、次のような理由により裁判員になることを辞退できます。
<裁判員になることを辞退出来る理由>
70歳以上の人、学生、重い疾病や傷害により裁判所に行くことが困難である、同居の親族を介護・養育する必要がある、業上の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じるおそれがある等

5 裁判員の役割

裁判員制度では、裁判員は裁判官とともに有罪無罪の判断や刑の重さを判断することとなります。現在行われている裁判員裁判では、裁判官3名と裁判員6名の合計9名で有罪無罪の判断、刑の重さの判断をします。

6 裁判員の守秘義務

裁判員になった人は、「評議の秘密」と「職務上知り得た秘密」の2つの秘密を漏らしてはいけないという守秘義務が課されます。
「評議の秘密」とは、評議における裁判官、裁判員の意見の内容や多数決の人数などです。「職務上知り得た秘密」とは、証拠書類などの記録に記載されている事件関係者の住所等のプライバシー情報や、他の裁判員の氏名などです。
守秘義務に違反した場合、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることがあります。

 

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