Archive for the ‘コラム’ Category

【コラム】在宅で捜査される事件

2019-11-25

一般的には、捜査といえばまず逮捕されてから、というイメージがあるかもしれません。

しかし、逮捕・勾留といった身体拘束をする前から捜査が始まっている事件も多々あります。
このような事件は「在宅事件」(身体拘束を受けている事件は「身柄事件」)と呼ばれ、身体拘束をされていない理由は様々です。
必ずしも、事案が軽微だからとか、捜査が行き詰まっているとか、安心できる理由ばかりではありません。
捜査の進展次第で身体拘束を受けるリスクもあり、在宅のままで起訴されてしまうリスクもあります。

在宅事件として捜査されている可能性がある場合、早期に弁護人をつけることで、

・逮捕等の身体拘束をせずに捜査を進めるよう働きかける
・起訴されないように先手を打って捜査弁護活動をする
・起訴された後のことを想定して、適切な取調べ対応をする
といった活動をすることが可能になります。

我々としても、あらかじめ弁護人として選任されていれば、捜査の進展によって逮捕された場合の初動をすみやかに展開できます。
逮捕された後にご依頼いただくよりも、選択できる弁護活動の幅が広がる場合もあります。

在宅捜査されているかもとご不安をお持ちの方、あるいはすでに任意で事情を聴かれている方、
一度弁護士にご相談いただけると、見通しが立って不安が抑えられるかもしれません。

髙橋

【研修講師情報】東京法廷技術アカデミー(量刑事件の研修)

2019-11-22

11月14~17日の4日間、当事務所の趙弁護士がメンバーとして参加する東京法廷技術アカデミー(TATA)で量刑事件の法廷技術研修が行われました。

東京法廷技術アカデミー http://www.trialadvocacy.jp/ 
は、趙弁護士が当事務所設立前に師事していた高野隆弁護士が中心となり設立された社団法人です。
弁護士の法廷技術の向上を目的にして、多様かつハイレベルな研修を開催しています。
私、髙橋も、高野隆法律事務所でアルバイトしていた学生時代から、TATAのビデオ係や事務局のお手伝いをしていました。

今回のTATA研修では、裁判員裁判対象事件を題材に、専ら量刑が争点になっている事件でどう弁護するかがテーマになっていました。
刑事裁判は、無罪を主張するような否認事件が注目を集めがちですが、実際には起訴された事実に争いのない事件も少なくありません。
当事務所でも、そのような量刑事件も多く扱っており、適切な量刑の判決を勝ち取るために日々取り組んでいます。

事実を争わない事件であっても、弁護士の力量や法廷活動によってその判決には確実に差が出ます。
我々も、一つ一つの事件に丁寧に取り組んでいこうと思います。

髙橋

【コラム】前科・前歴の意味

2019-11-21

私たちが刑事事件を受任したとき、必ず依頼者に尋ねることがあります。

「今回より前に、同じように警察につかまったりしたことがありますか?」
「刑事裁判にかけられたことがありますか?」
「これまで刑務所に服役したことがありますか?」

これらは、依頼者に前科や前歴の有無・内容を確認する作業です。

前科や前歴があると、検察官による起訴するかどうかの判断や、刑事裁判で有罪とされた場合の刑の重さの判断の際に、不利な事情となり得ます。
一方で、前科や前歴の有無や内容によって、ある程度検察官の処分や刑の重さが予測できる場合もあります。
このように、前科・前歴の有無や内容というのは、刑事弁護を行う上で非常に重要な意味を持つ情報なのです。

前科とは、過去に「有罪の判決」を受けたことがある、ということを意味します。
有罪の判決とは、裁判所で実刑判決を受けた場合はもちろんのこと、執行猶予が付いた場合や、略式罰金(正式な裁判の手続を経ずに罰金を納付する刑罰)も含まれます。
この略式罰金とよく混同されるのですが、交通違反をした際に支払うお金のうち、青切符と呼ばれる紙を渡されて納付するものは「反則金」と呼ばれるものです。
この「反則金」は、前科の対象となる「罰金」とは別のものです。

前歴とは、警察・検察から、犯罪の嫌疑を受けた経歴のことです。
犯罪の嫌疑をかけられて逮捕されたが、結局不起訴(起訴猶予の場合も含みます)になり、刑罰を受けていない場合が典型的な例です。
この場合には、前科ではなく、前歴として、捜査機関側の記録に残ることになります。

起訴するか起訴猶予にするかの判断、刑の重さをどうするかの判断の際には、その人の前科・前歴が考慮され、不利に働くことが多くあります。
法律上、執行猶予判決があり得るかどうかに影響する場合もあります。
前科・前歴がある場合、それによって刑事事件の処分にどのような影響があるかは、ぜひ弁護士のアドバイスを受けてください。

髙橋

【コラム】外国人の刑事事件(通訳の問題)

2019-11-13

しばらく前になりますが、東京地方裁判所で行われていた裁判員裁判において、インドネシア語の法廷通訳人による誤訳や訳し漏れが約200か所もあったことが判明したというニュースが報道されました。
その事件で裁判所が採用した鑑定書によると、「証言していません」を「覚えていません」とした誤訳や、「指紋の持ち主が被告と分かった」という証言を「ホテルに滞在していたのが被告と分かった」とした誤訳、更に「1983年」を「1985年」と誤訳したものまであったそうです。
あまりに杜撰です。

日本語を話せない外国人が被告人となる刑事事件は決して少なくありません。
また、日本人が被告人である場合でも、外国人が証人として呼ばれるケースもあります。
このようなときに、問題となる言語の壁を取り払うのが法廷通訳です。
平成26年の時点では、全国の裁判所で判決を受けた外国人約58400人のうち、通訳人がついた外国人被告人は約2400人で、その国籍は74か国、使用された言語は40言語にも及んだそうです。

弊所でも外国人の方の事件を受けることが多くありますが、通訳事件の難しさを日々痛感しています。
証拠の翻訳や、尋問の際の通訳人の誤訳を指摘して、法廷で争うこともしばしばあります。
中国語のできる弁護士と共同で事件を受任して、法廷での通訳についてその場で異議を述べたこともあります。
それでも、現実には翻訳や通訳の内容に対する疑問も払拭できないまま有罪判決を受けることもあり、到底受け入れがたい気持ちになります。

人工知能等による同時通訳の技術も研究されていますが、そのような先進的な技術が裁判所に導入されるまでには時間もかかりそうです。
刑事裁判に携わる者として、法廷通訳人を介した外国人事件の審理の在り方を真剣に考えて行かなければならないと感じています。

髙橋

【コラム】勾留の執行停止とは

2019-11-01

少し前ですが、子供の結婚式に出席するため、「勾留の執行停止」が認められたというニュースがありました。

「勾留」とは、逮捕に引き続いて、逮捕よりも長い期間(原則として10日間、事件によっては最大20日間になる場合もある。)身体拘束されることを言います。

この、勾留という長期にわたる身体拘束から解放されるための手続は、法律上いくつか用意されています。
 
まず、裁判所の勾留決定に対して不服を申し立てる準抗告という手続があります。この、不服申立てが認められた場合には、勾留の決定がなかったことになるため、すぐに身体拘束から解放されます。

また、10日間(ないし最大20日間)の勾留を経て、検察官によって起訴されてしまったという場合には、裁判所に対して保釈許可の申立てをするという手続があります。この、保釈が許可された場合には、原則としてその事件の裁判が終わるまで身体拘束から解放されます。定められた裁判の日に裁判所に出頭すればよいだけです。

しかしながら、事件の性質などにより、上で述べたような身体拘束からの解放という希望がかなわないことも多くあります。
タイトルに挙げた「勾留の執行停止」とは、そのような場合であっても、一時的に勾留を止めてもらうというための手続のことをいいます。

勾留の執行停止は、その後ずっと身体拘束から解放されるのではなく、時間を限定して一時的に身体拘束から解放されるという手続です。
よくある例として、親族が危篤で今顔を見ることができなければ二度と会えなくなる、親族の葬儀には出席させてほしい、自分の病気の治療が外の病院でなければできない、などの場合に勾留の執行停止が認められています。

勾留の執行停止は、勾留場所から病院や葬儀場などへの移動時間、そこでの滞在時間、勾留場所に帰る時間など考慮して、「何月何日の何時~何時の間」というように、厳しい限定のもとで認められます。場合によっては、親族などの監督者が常に同行することが条件として付されたり、弁護人が監督者となることが求められたりすることもあります。
もちろん、申し立てれば必ず認められるというものでもありません。

しかし、そうはいっても一時的に身体拘束から解放されることを強く望む事情がある方もたくさんいることでしょう。そのような場合には、弁護人と打合せをして、裁判所が納得するような条件で勾留執行停止の申立てにチャレンジしてみることをお勧めします。

髙橋

【お知らせ】『情状弁護アドバンス』が発刊されました

2019-10-30

髙橋が執筆に加わった『情状弁護アドバンス』が発刊されました。

我々が扱う刑事事件は、冤罪の可能性のある否認事件だけではありません。
罪の成立自体は認めていたとしても、裁判の結果として執行猶予がつくか、服役期間が何年になるかは、依頼者にとって重要な関心事です。
弁護人も、自分の公判活動の結果として依頼者が予想より重い判決を受け、やりきれない思いをすることは少なくありません。

否認事件で確実に勝つための法廷技術を日々研究するのと同じように、
量刑事件でも、常に適正な量刑判断を勝ち取るためにすべきことや、磨くべき法廷技術があるはずです。
この本も、そんな思いを持ちながら刑事弁護に取り組む若手弁護士が全国から集まり、数年に及ぶ議論を経て書籍の形にたどりついたものです。
この書籍を完成させるまでの議論自体が、編集メンバーの弁護技術を大きく向上させてくれるものでした。

当事務所の刑事弁護チームでは、公訴事実自体に争いがない可能性が高い事件についても、状況に応じて最善の弁護活動を提供できるよう体制を整えています。
諦めることなく、そして早い段階で、ご相談いただくことをおすすめします。

髙橋

【お知らせ】事務所HPに英語版を追加しました

2019-06-05

当事務所では、民事事件・刑事事件を問わず外国人のお客様からのご依頼も数多く受けています。

特に刑事事件に巻き込まれた外国人の方は、文化や言語の壁もある中で大変な困難を強いられます。

我々は、英語・中国語で対応可能なスタッフを擁し、迅速な対応を心がけています。

その結果、日本人に比べて困難が伴うことも多い保釈の獲得や、無罪判決の獲得実績もあります。

 

そしてこの度、外国人の方の案件にさらに注力すべく、事務所HPに英語版をリリースしました。

英語版HPの中にも、刑事弁護の特設ページをご用意しています。

外国人の皆さまがお困りの際に力になれるよう、日々研鑽に努めます。

 

Criminal Defense

 

髙橋

【コラム】保釈あれこれ

2019-05-22
 
カルロス・ゴーン氏の事件で保釈について世間の注目を浴びています。
保釈金が10億円とか5億円などという報道から、「逮捕されたら金持ちしか外に出られない」といった誤った噂が広まっています。そこで、保釈について解説したいと思います。
 
保釈とは、起訴された被告人について、一定のお金(保釈保証金)を裁判所に預けて釈放し、保釈の条件を守りながら裁判に最後まできちんと出頭すればそのお金は全額返すという制度です。保釈保証金というのは、あくまでも”担保”として裁判所に預けるお金です。
刑事訴訟法では、起訴された被告人は原則として保釈されると定められています。

そして、例外的に保釈がされない場合が定められています。その一つが「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な事由があるとき」というものです。
一言でいえば、保釈をしたら証拠隠滅をする現実的なおそれがあると認められる場合には、保釈は許可されないということです。
 
実際は、これが非常にゆるく認められるために、なかなか保釈が許可されないケースがあります。
しかし、法律では「原則=保釈」と定められているので、保釈を認めさせるために弁護人の工夫や努力が求められます(当事務所にはそのためのノウハウが蓄積されています)。
 
カルロス・ゴーンさんの事件では、保釈金が10億円とか5億円と報道されましたが、これはカルロス・ゴーンさんにはたくさんの資産があるからです。
保釈保証金はその人の資産に応じて額は変わります。決して、10億円、5億円用意できないと保釈されないわけではありません。
(趙)

【コラム】逮捕されたらいつ出られるか…①

2019-04-24

72時間、10日、20日・・・。

有名人が逮捕されると、テレビのワイドショーなどで、こういう数字をよく耳にします。

いずれも、刑事訴訟法の勾留に関する条文に絡む数字です。

逮捕後、最大72時間以内に検察官は10日間の勾留請求するか、釈放しなければなりません。つまり、このタイミングが、逮捕されて勾留されずに釈放されるか、10日間の勾留がなされてしまうかを決める重要なタイミングです。

最大72時間以内なので、実際には、もっと早く決まってしまいます。

東京地検本庁(多くは東京23区内の警察で逮捕された場合)では、逮捕の翌日には検察官が勾留請求し、翌々日のお昼頃には裁判所が勾留決定をしてしまうケースがほとんどです。

それまでに弁護人が適切な弁護活動がなされることで、何もしなければ当然のように10日間の勾留決定がなされてしまったであろう事件で、釈放されるケースはたくさんあります。

何もしなければ、検察官も裁判官も、ほとんど警察官が集めた証拠だけをもとに、勾留するかどうかを決めてしまうからです。

もっと早く依頼してくれていたら・・・と思う事件に遭遇することは、残念ながら刑事弁護人にとって日常茶飯です。

多くの刑事弁護人や弁護士会は、長年にわたり逮捕直後から国選弁護人を選任できる法律の制定を目指していますが、根強い反対があり、未だに実現できていません。

                                            (②に続きます。 小泉)

【お知らせ】出演情報(四宮啓弁護士)

2019-03-25

当事務所の四宮啓弁護士が、本日下記のテレビ番組に出演いたします。

 

 

BS11  報道ライブ インサイドOUT

「導入から10年 “裁判員制度”を大検証」

 

 

ーーーー以下番組ホームページより転載ーーーー

ゲスト:四宮 啓(弁護士 / 賛成派)、高山 俊吉(弁護士 / 反対派)

「国民に開かれた司法の実現」の名の下に裁判員制度が導入されて、今年の5月で10年となる。裁判所、弁護士など、法曹界がこぞって賛成しての実施だったが、それは、立場の違いを反映した「同床異夢」のものだった。
「国民への理解」を広げたい裁判所に対し、多くの冤罪を生んだ刑事裁判に「主権者たる国民の参加」による改革を目指した弁護士側。最高裁のアンケートでは「裁判員を務めた9割以上が肯定的な感想を持った」など、プラスの側面が強調されているが、その一方で裁判員の辞退率は7割を超え、無断欠席も増加している。
果たして当初の目的は果たされているのか?裁判員制度、その功罪を考える。

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番組ホームページ:https://www.bs11.jp/news/houdou-live-insideout/

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