刑事弁護を弁護士に依頼するタイミング

 

刑事弁護は逮捕されてから?

多くの方は、逮捕されてから弁護士を探します。警察に身柄拘束を受け、留置場に入れられて初めて、自分の置かれた状況を何とかしなければいけない実感が芽生えるのでしょう。私たちの経験から考えても、逮捕後に弁護を依頼される依頼者が圧倒的多数ではないかと思います。

しかし、実際には、捜査機関は、逮捕に踏み切る段階で、証拠を一定以上集めています。被害者や目撃者の話を聞いたり、現場検証を行ったり、科学的な鑑定を行ったりしていることも珍しくありません。そもそも、逮捕状による身柄拘束をする場合、証拠が集まっているからこそ、裁判所は身柄拘束を許可するのです。つまり、逮捕の前から刑事事件は動き出しているといえます。

捜査機関が立件に向けて動いている以上、これに対抗する必要があります。事件が発覚する前であっても、捜査が行われる前であっても、危険を感じたら是非弁護士に相談をするようにしてください。私たちは、依頼者の味方になり、捜査機関にどのように立ち向かっていけばよいか、アドバイスをすることができます。

発覚前に何ができるか

事件の発覚前に弁護士に相談を行くことの意味はなんでしょうか。
まず、もっとも大きいのは、事件について見通しを聞くことができることです。心配していたことは、実は犯罪ではなかった。犯罪だとしても、事案の性質からして身柄拘束を受けるような事件ではない。そういう見通しが立つ場合には、それだけで不安は大きく軽減されるはずです。

また、犯罪に当たる行為があった場合には、事件化しないように対策を講ずることができます。被害者と示談交渉を行うのが最も典型的な弁護活動です。特に、器物損壊罪や強制わいせつ罪などは親告罪――被害者の告訴がなければ、加害者に刑事処罰を求めることができない――と呼ばれる犯罪類型です。発覚前や捜査前に示談が成立すれば、通常、処罰を求められることはありません。

どうしても逮捕が避けられないであろう事件の場合には、逮捕後の対応について予めアドバイスを行うこともできます。一般に、捜査機関は、身柄拘束を行った後72時間以内に「弁解録取書」という書類を作成します。「弁解録取書」は、刑事事件で身柄拘束を受けた人が、最初に自身の言い分を述べる機会となります。しかし、逮捕をされた状況で、冷静に自身の主張を述べることができる人はごくわずかです。気が動転したり、取調官の口車に乗せられたりして、不利な証拠が作られてしまうことも少なくありません。この不利な証拠を挽回することは極めて困難です。逮捕後に冷静な対応をすることができるよう、対応方法を逮捕前に準備しておくことは、極めて有益であり、かつ、重要です。

逮捕されてしまった、という方へ

弁護士に相談することなく逮捕をされてしまった場合、一刻も早く信頼できる弁護士を選任してください。私たちの仕事は、時間の経過と共にできることが目に見えて減っていきます。

自白を取られてしまった。被害者への謝罪が遅れて示談の機会を失ってしまった。何ら防御活動がなされないまま裁判にかけられてしまった。頼んでいる弁護士と十分な話ができないままに、裁判の方針が決まってしまった。

信頼できる弁護士に頼むのが遅れたことにより、こうした不利益が生じることは決して珍しくありません。そして、これらの不利益を取り返すことは、一般に、非常に困難です。

また、刑事事件に対する弁護士の考え方というのは、驚く位に人それぞれ異なります。時には、熱心に刑事弁護に取り組んでいる弁護士の中でも、人によって方針の立て方が違ってきます。上記のとおり、弁護活動の途中で方針を変更するのは容易なことではありません。そのため、依頼をする弁護士に十分な活動をしてもらうためにも、依頼はできるだけ早期である必要があります。

第1審が重要

我が国の裁判は、第1審の裁判所の判断に不服があれば、原則として、高等裁判所、最高裁判所へと順に二回までやり直しを求めることができます。

しかし、上級の裁判所は、第1審の裁判所と同じようにゼロから事件を見直すわけではありません。基本的には、原審(1つ前に判断をした裁判所)の判断に誤りがあるか、という観点から事件を検討します。

そのあらわれとして、高等裁判所の場合には、新しい主張や証拠を提出することに制限があります。「なぜ、第1審でその主張ができなかったのか」ということが問題になり、簡単には新たな主張や証拠は採用されません。最高裁判所に至っては、原則として、原審の判断に憲法違反や判例違反がなければ不服申立ができないことになっています。しかし、高等裁判所のプロの裁判官が、憲法違反や判例違反の誤りをすることは非常に稀です。最高裁判所は、高等裁判所より狭き門といえるでしょう。

第1審の判断に不服がある方が相談にいらっしゃることもあります。その際には、そこから何ができるかを私たちは一緒に考えていくことになります。しかし、残念ながら、その時点では手遅れになっていることも少なくありません。そのようなことにならないよう、第1審からご依頼下さることを強くお勧めします。

 

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