子どもが逮捕された方へ

 

少年事件とは

新聞や報道で「少年事件」という言葉を目にします。「未成年で犯罪をしてしまった者は成人とは異なる処分を受ける」、何となくそのようなイメージを持つ方が多いのではないと思います。

しかし、実はこれは半分正解で半分誤りです。
何が違うのでしょうか。
それは、「未成年も逮捕されれば、成人と同じように捜査の対象になる」ということです。

身柄拘束を受けた成人は、原則最大20日間の勾留を受けた上で、検察官の処分を受けることになります。そして、身柄拘束を受けている間には、捜査官の取調べを受けたり、現場検証に連れて行かれたりします(詳しくは、逮捕された後の流れをご参照ください)。実は、未成年も身柄拘束を受けている間は、成人と全く変わらず捜査対象とされるのです。

成人で起訴される前の立場の人を「被疑者」と呼びますが、未成年で家庭裁判所に送致される前の立場の人も「被疑者」と呼ばれ、全く同じです。

手続が異なってくるのは、勾留期間が満了した後です。成人の場合には、検察官が処分を決めるのに対し、未成年の場合には家庭裁判所が処分を決めます。
家庭裁判所が必要ありと認めた場合には、観護措置という決定がなされ、未成年の身柄は少年鑑別所に移されます。そして、最終的に家庭裁判所の審判を経て、その処遇が決せられることになります。

このように、「少年事件」として、成人と未成年で異なる取り扱いを受けるのは、あくまでも勾留期間が終わった後のことなのです。
 

勾留期間満了前の弁護活動

未成年が逮捕された場合、弁護士に早期依頼をすべきです。その必要性は、成人の刑事事件よりも遙かに高いものと言えます。

未成年も成人と何ら変わらず、捜査機関の取調べを受けます。子どもが何歳であっても、です。その時に、数々の犯罪者を相手にしてきた警察官と対等に戦える子どもがどれだけいるでしょうか。司法試験を合格している検察官の巧みな誘導に乗せられない子どもがどれだけいるでしょうか。中には、裁判官、検察官、警察官、弁護士の違いさえ分からない子どももいます。子ども達に1人で捜査機関に立ち向かうことを期待するのは、あまりに無謀です。

逮捕された子どもには、適切なアドバイザーが必要です。それは、弁護士以外にいません。少年事件の弁護士には、能力はもちろん、分かりやすい説明が求められます。子どもの味方になってくれる弁護士を、できるだけ早く選任してあげてください。

 

処遇の種類

原則最大20日間の勾留期間が満了した後、未成年の被疑者は家庭裁判所で一次的な判断を受けます。これを「家裁送致」と言います。家裁送致後、未成年者の呼称は「被疑者」から「少年」へと変わります。

家裁送致後、少年は、在宅、又は、少年鑑別所で身柄拘束を受けた状態で、改めて家庭裁判所の審判を受けることになります。この審判の結論にしたがって、少年はその後の処遇を決せられます(ただし、「不処分」と言い、何ら処分がないこともあります)。

代表的な処遇の1つが、保護観察です。保護観察とは、社会内で生活を続けながらも、保護観察所の監督に服して更生を目指す方法です。一般的には、遵守条件が課されるとともに、保護司との定期的な面会を行うことにより、その後の少年の成長を見守ることになります。保護観察の期間は、原則として、少年が20歳になるまでです。

もう1つ代表的な処遇が、少年院送致です。少年院は、比較的非行性の進んだ少年を収容して、矯正教育を行う機関です。少年院には種類があり、収容期間は審判の結論によって、少年ごとに異なります。少年院は、成人に刑罰を科すための刑務所とはその性質が異なり、あくまで矯正教育のための機関と位置づけられています。

審判の時点で保護観察か少年院送致かを決せられない場合には、試験観察という判断がなされることもあります。試験観察に付された少年は、家庭裁判所内の専門家(家裁調査官)による一定期間の観察を経て、改めて保護観察か少年院送致かの結論を言い渡されることになります。

事件の性質や、少年の性情によっては、成人と同等の刑事処分を受けさせるのが相当であると判断される場合があります。この場合、家庭裁判所は事件を検察官に送り、刑事処分を求めます。これを実務上「逆送」と言います。逆送された少年は、改めて刑事処分を受けるべきか、判断されることになります。その結果、場合によっては、刑務所に行くこともあります。刑務所に行くことになった場合には、いわゆる前科がつくことになります。

その他にもいくつかの処遇が予定されていますが、代表的な少年に対する処遇は上記のとおりです。そして、上記いずれの処遇になるかは、「少年自身と周囲の環境を考慮した上で、少年にとって何が一番良い選択肢と言えるのか」という観点から決せられるのが一般的です。

 

付添人の活動

家裁送致後は、少年から依頼を受けて活動をする弁護士のことを「付添人」と呼びます。
付添人の仕事は、成人の刑事弁護とはやや異なります。というのは、少年事件は、犯した罪に刑罰を科す手続ではなく、少年自身や周囲の環境の問題に目を向けて調整を図りながら処遇を決する手続だからです。少年審判で、少年自身と周辺環境が主要な考慮要素となることは、上記のとおりです。

そのため、付添人には、法的知識はもちろん、それ以上に熱意と人間力が求められます。付添人の影響で更生への道を歩んだ少年も決して少なくありません。家庭裁判所も、熱心な付添人の活動は必ず評価してくれます。

私たちの事務所では、付添人は少年のパートナーでありたいと願っています。少年とじっくり話をし、問題をともに見つけ解決していくことが、少年事件で最も大切なことだと考えています。
是非、一度ご相談ください。

 

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