前科をつけたくない方へ

 

起訴された事件の99.9%が有罪判決となる現実

逮捕に引き続き勾留をさせると,勾留期限の満了までに検察官は起訴するか不起訴にするかを決定します。検察官の「起訴」によって,事件は捜査機関から裁判所にその舞台を移すことになります。裁判所は,起訴された事件について有罪か無罪かを判断し,判決を宣告します。
平成24年度の司法統計によると,刑事裁判の第一審を主宰する全国の地方裁判所が言い渡した有罪判決は5万5667件でした(執行猶予を含む。)。
これに対して,無罪判決はわずかに88件です。我が国では,「起訴されてしまうと99.9%有罪になる」というのが,数の上での現実です。

 

前科は仕事や職業に影響します

有罪判決が確定すると前科がつきます。
前科ときいて,最初に思い付くことは「世間体が良くない」ということかもしれません。
しかしながら,前科の影響はそれだけではありません。

多くの法律が,「前科がある人はこの仕事をすることができない」とか「この地位に就くことができない」と定めているのです。例えば,株式会社の取締役が有罪判決を受け,禁固以上の刑に処せられた場合,会社法はこの者が取締役の地位を失うと定めています(ただし,執行猶予付きの有罪判決を除きます。)。
また,登録制又は許可制の職業や職種についてみると,各種業界を規制する法律(業法)の多くは,有罪判決が確定すれば,その登録や許可を取り消すことがあると定めています。

例えば,保険業法は,生命保険の募集人や損害保険の代理店が禁固以上の刑に処せられた場合,たとえ執行猶予が付いたとしても,その登録を取り消すことがあるとしています。
医師や歯科医師などの資格制の職業も同様で,例えば,医師法は,罰金以上の刑に処せられた場合,「戒告,医業の停止又は免許の取消し」の処分をすることがあると定めています。

このように,有罪判決,すなわち前科は職業を制限することがあります。
 

前科は会社員にも影響します

一概にはいえないものの,有罪判決が確定した場合,これを理由として勤務先である会社が懲戒処分を行う可能性があります。最近では,飲酒運転で有罪となったことを理由とする懲戒免職(解雇)について,裁判所がこの免職を有効である判断した例があります。

また,多くの会社の就業規則には,経歴を詐称して入社した場合を懲戒の理由として掲げています。
一般に,前科は重要な経歴に当たりますから,前科があることを隠して入社した場合,懲戒の対象となることがあります。
これも一概にはいえませんが,前科の発覚を理由とする懲戒免職について,裁判所がこの免職を有効であると判断した例もあります。このように,前科は現在の仕事だけではなく,将来の仕事まで制限するおそれがあります。

 

捜査段階で不起訴に持ち込むことが何よりも大切

前科は現在および将来の仕事に影響を与えます。「起訴されてしまえば,ほとんど前科がついてしまう」という現実を前にすれば,捜査段階で不起訴に持ち込むことこそ何より重要なのです。

検察官は,逮捕から2~3週間という短期間で起訴・不起訴の決定をします。
この間,逮捕・勾留された本人は身動きが取れません。自分で有利な証拠を集めようとしてもできません。そして,検察官も自ら積極的には集めてくれません。

この限られた時間内に,有利な証拠を可能な限り集めて検察官に示す役割を果たすのが弁護人です。
この弁護人の活動なくして,不起訴を獲得することはできません。
 

一刻も早く信頼できる弁護人を選任する

不起訴の獲得は短期決戦です。
捜査担当検察官にできるだけ早くアプローチして,早い段階から,その心証に影響を与えることが重要です。
そのためには,有効な弁護方針を素早く組み立て,短期間で有利な証拠をできるだけ多く集めることができる弁護人を,一刻も早く選任することが大切です。

 

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